sealer del sol (シーラーデルソル)

Guapo!WEBマガジン[グアッポ!]

vol.42

選手から日本ウェイクボード協会代表理事へ。
好きなウェイクボードのために
立場を変えても関わり続けている思い。

ウェイクボーダー杉田 勝

photograph /本人提供
text / Masahiro Ikeda
Episode1

小学生の頃の将来の夢は「プロ野球選手!」…。
男4兄弟の末っ子に生まれ、少年野球チームの監督であった父と兄達と共に小学1年生から始めた野球を高校卒業までの12年間を続けた野球少年の杉田は、「高校卒業」、「進学」、「就職」に向け、現実的にプロを目指すことの大変さ、一握りの特別な選手になる事の難しさを感じながらも、スポーツに関わり、生活し、生計を立てると心に決め、高校二年生で出会ったスノーボードに興味を持ち、高校卒業後、その世界に飛び込んだ。エクストリームスポーツであるスノーボードにもプロ制度はあったが、自分の好きなスポーツを人に伝える事の難しさや、嬉しさ、感動を知り、インストラクターとしての道を選んだ。その後、ウィンタースポーツの季節労働者としては、夏季も同じようにスポーツを通じて人に何かを伝えたいという気持ちから、マリンスポーツの中でスノーボードのオフトレとして、また水上スノーボードとも例えられる、ウェイクボードと出会い、山梨県河口湖へ拠点を移し、スノーボードとウェイクボードの生活が始まることになった。

Episode2

誰でも安心して始められるスポーツであり、上級者になると縦回転や横回転などの難易度の高いトリックとともに、個々のスタイルでカッコ良さを自由に表現できるウェイクボードの魅力に取り憑かれ、夏季のマリンスポーツ事業として、トーイングショップを開業した。また公認プロの資格と肩書き得るため大会にも参戦。国内チャンピオンズリーグ/プロマスターズクラスに参加し、選手時代は優勝やシリーズランキング上位など様々な思い出があるが、勝つために練習し創り上げた必勝ルーティーンをノーミス・フル完走できた時は特に嬉しかった。
また、2016年のIWWFアジアンチャンピオンシップ【韓国】に参加し、マスターズクラスで2位だったことは記憶に残っていた。10ヶ国以上が参加する世界の戦いに参加し、初めての国際大会で言葉の壁もあり、ルールを全て理解できず、自分だけがボーナストリックを放棄してしまい、優勝を逃したのが一番の悔しい記憶だった。その後、2019年の IWWFアジアンチャンピオンシップ【タイ】に参戦し、マスターズクラスで優勝、そして日本チームの優勝を勝ち取った。プロ生活の中で再度チャンスが訪れ、それに挑戦し、2016年に敗れた選手に、決勝戦で打ち勝ち、悔しかった記憶を良い記憶に変えたのは一番の思い出となっている。

Episode3

日本ウェイクボード協会に関わり出したのは、より良い協会にするためには外野から意見を伝えるだけでなく、手伝い、関わり、支え、運営を理解する事が必要だと感じたから。それまでもプロ選手として大会に参加し、ジャッジやドライバーの仕事で大会運営に携わってきていたため、選手との距離も近く意見も聞きやすい環境だった。ただ、一般社団法人としての仕事や理念、定款に沿っての運営など、一選手としては理解できないことも沢山ある。
会員の中でも、アマチュア選手・プロ選手・競技委員・協力店・法人とあり、それぞれの立場で意見は変わり、ひとつにまとめる事が困難なことは明白。協会・業界の発展のために、大会運営を円滑に公平に選手ファーストで、と全力で運営していても、なかなか理解が得られないこともある。自分たちの手で環境を変えられることは魅力的で「やりがい」もあるが、品行・教育・平等・公平・発展と、それらの意見の統一を常に測ることは本当にマンパワーが必要で苦労も多いのが現実だったりする。

Episode4

今後の目標。
楽しい人生ってなんだろう…。カッコいい生き方ってどんなんだろう…。憧れるライフスタイルって。夢を持つことがない悟り世代、努力や根性論が軽視されている中、「夢はみるものではなく、叶えるもの」。将来実現させたい理想と目標を声に出し、実現させるために経験を積み上げ建設的にプラン立てることの意味や、途中で諦めることと、変化し道を変えることの違いを理解し、続けることの価値を伝えていきたい。
プロ選手に憧れた幼い頃の夢。次世代にも少しでも夢を描き、憧れ、叶えられると信じてもらうために、プロ選手のセカンドキャリアなど選手が培った経験を生かすことを提案し、安心して少しでも長く夢を持ち目標を達成し、その後も続けていけるための環境作りの手伝いも現在目指すべき必須事項だと考えている。
ウェイクボードやスノーボードに限らず、スポーツ業界に発展をもたらすため、現役プロ選手のため、アマチュア選手のため、「将来の夢はスポーツ選手になりたい!」と子供達にスポーツを通じて健康と教育と夢を与えることのできる業界にしたい。そのためにも、芸能、音楽、芸術、美容、食育、健康と様々なジャンルと接点を持ち、新しい形を作っていきたいと考えている。

Profile
杉田 勝 MASARU SUGITA

JWBA公認プロウェイクボーダー
株式会社TRIBE 代表取締役
一般社団法人日本ウェイクボード協会 代表理事
山梨県水上スキー・ウェイクボード連盟 理事
山梨県ノルディック・ウォーク連盟 理事
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LIQUID FORCE JAPAN/BILLA BONG/SECTION/FAKE snowboarding/MIDORI CRAFT/Hi!鍼灸整骨院/HI!パフォーマンズ/ H-Works/3peace/bechic/BLANC CLINIC/S-RIDE/TwoForOne【株式会社アーヴァンス】
戦歴
2016年 IWWFアジアンチャンピオンシップ【韓国】
マスターズクラス二位
2019年 IWWFアジアンチャンピオンシップ【タイ】
マスターズクラス優勝